陶土(粘土)の種類と土練り

粘土の種類 陶器と磁器の違い

 
皆さん、日本人なら誰もが自分の飯碗をお持ちではないでしょうか?
ご自分の飯碗は陶器ですか?磁器ですか?まず、焼き物の素材で磁器と陶器の2種類があります。

磁器の特徴

 
 
何が違うのか、磁器は白土で石物(いしもの)と呼ばれます。洋食器をイメージして頂くとわかりやすいかと思います。特徴としては吸水性が無いです。それと透光性があります。生地が薄作りの磁器は手に持ち、電気に向けて器をのぞいて見ると手の陰が透けて見えます。
吸水性が無いので、カビにくく衛生的でもあるので、飲食店などでも多く使われています。扱いも陶器に比べると楽と言うか、心配が少ないのでしょうか、最近ではその特性を活かすため、素材は磁器で見た目を陶器に、なんていう器を見かけたり。

 

陶器の特徴

 
陶器は吸水性があり、光は通しません。磁器に比べると粘土の粒子が荒いです。赤土、白土と大まかに分けて2種類あります。白土は鉄分が無く生地は白く焼きあがります。赤土は茶色い粘土の事で白土に鉄分が入り、焼き上がりは赤茶っぽく焼きあがります。作りたいものによって粘土を選別します。粒子も磁器に近いくらい細かい物から、砂や小石が入ったザラッとしたような粘土まで幅広くあります。
 
 
良い粘土ってあるの?

良い粘土ってあるんですか?値段の高い粘土は、やっぱり良い粘土なのですか?って聞かれることがあります。値段が高い粘土が良いかと言うと、そうでもありません。自分の作りたいものが安価な粘土の色味、粒子に合えば、それが一番良い粘土です。自分の良いと思った粘土の値段がちょっと高めだったら、それはしょうがない、と言う感じです。希少価値なども加味されていると思います。
 

六古窯から見る粘土

 六古窯とは日本に古くからある焼き物の代表的な産地です。瀬戸焼 常滑焼 越前焼 信楽焼 丹波焼 備前焼、当たり前ですが産地ごとに同じ器でも、それぞれの産地の特徴があります。それぞれの産地で採れる粘土、使う粘土が違うので、特徴が変わってきます。またその土、作品に合わせた焼き方も変わってくるので、窯の形や、焚き方が違います。愚陶庵では信楽の製土屋さんの粘土を使っています。
 
六古窯以外でも焼き物の産地には特徴的な粘土があるのではないでしょうか、流通が進歩した現代では産地以外でも粘土が取り寄せられ使えるのも楽しみと時代の変化の象徴です。

粘土の練り方 目的

 
陶芸作品を作る為、粘土を準備したら土練りをします。荒練りをして菊練りが代表的です。

 

目的

荒練り

 
 
荒練りは粘土の硬さをを均一にするため、粘土全体の柔らかさ、硬さを均一にします。
 

 
菊練り

 

菊練りは粘土の空気を抜くのが目的です。空気が入っているとロクロ成形中にプクっと水ぶくれのように空気が表面に出てきてしまったりします。また、ロクロ作業が始めやすいように最終的にはロケットの頭のような形にまとめます。
 
練っている時に出来るヒダが菊のように見えるので菊練りです。
 
粘土が練れるようになるとあまり粘土や、削りかすの再生などもできるようになります。
 

機械で練る

 
土練機と言う粘土を練る機会があります。常圧式や真空土練機と言って真空ポンプの付いた機械もあり、硬さを均一にまた、空気も抜けます。